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2016年3月28日 (月)

水曜クマ子の音楽語りvol.6「If We Hold On Together」#船旅モード

3月21日のサロンは先週につづきまことにサロンらしきサロンだった。
いまのところ夫人と私の思う“サロンらしさ”とは

其ノ一 ゆとりと余裕があること(特に夫人と私に)
其ノ二 お酒や珈琲そして少しの美味しいものをそれぞれがたのしんでいること
其ノ三 サロンにいる皆で自由な会話を楽しめること
其ノ四 そこに華をそえる音楽と小さなお芝居


って感じだろうか
うん、とにかく去年の何でも詰め込みまくってたサロンと今年再開したサロンはまるで様相が違うのだ。
あの優雅なはずの夫人が髪を振り乱してオーダーを取りお酒をつくるなんてこと
本当はあってはならなかったし
私だって立て続けに歌わずもう少し大人の社交場向けに
「引き」を覚えてもよいのでは?



なんて、今は思っている。
それにしたってまぁ、夫人は去年をきっかけに芝居に目覚めたところがあるし
私もいきおいづくと止まらないとこがあるのでこれからまだどんな夜がやってくるかわからないけど。

 好みのチョコをつまみに洋酒を飲んだり
 カクテルを飲んだあとにフォークにさしたあんこもちを食べたり
 それぞれお気に入りを楽しみつつ旅の話をしてそれもどんどん脱線していっちゃう
 なんて贅沢は大人だけのものだ。
船旅のこと、航路にそって順番に書いていこうかと思ったけど
それはもう船に乗ってる間の日記に書いているし
ここには思い出した順にランダムに書こうと思う。


横浜港から私が乗船したのは、出航の1日前の1月5日12時。
翌日15時の「Sail Away」という出航セレモニーで歌うのと、その夜にある今回最初のメインショーのリハーサルをするためだ。
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乗船→スタッフにご挨拶→バンドメンバーと初顔合わせ→舞台監督と打ち合わせ→練習

乗った途端、細かいスケジュールが渡されてからは息つく間もなかった。
矢印の中にぎっしり詰まってる細かいことは省くけど、私ってこんなにフル回転できるクマだったんだと知らなかった自分の能力を知った。
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バンド練習を終えふらふらになったころ夕食になった。
メンバーが自分たちのテーブルに誘ってくれた。
明るくてジェントルなフィリピンからの音楽家たちと私は拙い英語で会話する。

「船に乗るのは初めて?」
「じゃあ船酔いするかどうかまだわからないんだね、しないといいね」
「これ昨日フィリピンで買ってきたソーセージ、よかったら食べてみて。このソース
辛いけど美味しいよ」

昨日まで休暇でフィリピンに帰っていて今日戻ってきた彼らはこの船に年10カ月近く乗る。
ピアノ、サックス(フルートも)、ベース、ドラム、4人編成で18年続く船専属バンド。
ジャズも演歌もなんでも来い、慣れているはずの曲にも決して手を抜かず完璧にサウンドさせる彼らにとっての家はもはやこの船なのだという。


「クマ子サンはどうして船に乗ろうと思ったの?」
ピアノのチャーリーに尋ねられた
(日本船に乗ってるだけあって彼らのコミュニケーションはときどきとても日本ぽい。人を呼ぶ時はサン付けだ)



「ずっと乗りたかったから。
船で歌う歌手になるのが私の夢の一つだったの。
それが今回叶ったんだよ。」


「船で歌うのが夢!??」

チャーリーとスティックスさん(ドラマーの彼は自分にSticksという芸名を付けるくらいドラム熱心でひょうきんな人)が声を揃えた。

「そうだよ。」

「ワオ」スティックスさんがおどけてため息をつく。
「じゃあこの船はDream Shipなんだね」
「うん、そうねDream Shipだね」笑って私が答えると

「・・船で演奏することは僕の夢じゃない」少し間があいてチャーリーが静かに言った。

その声のトーンと表情にあまりに膨大な何かがこもっているように感じて
なにも答えることができなかった。
バンド最年長のサックス、ロッドさんと無口なベース、レイさんがどんな表情で聞いているのかも見る勇気がなかった。
夕食を終えて部屋に戻る。
窓の外でみなとみらいが光っている。
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構成を確認し、歌詞を確認し、プレイバックを何度も聞く。
ベッドに入ったけど張り詰めていて眠れない。
去年の夏に数回飲んだ睡眠薬の残りを持ってきていてよかった。
翌朝6日、10時から打ち合わせて最終確認
バンド練習、サウンドチェック、夜のメインショーのための場当たり、リハーサル、そして15時からのSail Away用リハーサルと続く。

その間に港から続々と乗客が乗り込んでくるはずだ。
13時過ぎ、船内アナウンスが響いた。
「只今よりこの船は外交になりました。」
船内が国外になったという知らせだ。
旅を終えて戻るまでもうこの船から日本へ降りることはできませんよという意味だ。
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ショーは盛りだくさんな内容で、
ジャズ、ミュージカルナンバー、日本の歌謡曲も歌う。
ジャズに至ってはビッグバンドのアレンジがされていて(有能な彼らは4人でビッグバンド並みの演奏をやってのける)

もはや「クマ子1人ミュージカルショー」だ。
(なにしろ舞台袖から歌いながら登場する)

どう動いてもピンスポットが私を照らし続ける。
(「ええ!?客席歩きながら歌うの?」思わず日本語で聞いた私、真顔でうなずくチャーリー)

完璧に主役は私1人という構成。
(MC,曲間、流れるような演出)

昨日覚えたばかりのド派手なアレンジ。
(スーパー万全にバックを支えるバンド)

「New York New York」のアレンジが特に難しい、アレンジが大きくバンドと掛け合いするように身体ごとぶつからなければ歌えないのに、歌いながらバンドを離れ客席にどんどん出ていかなければならない。
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私が信じるのは完璧に私を支えてくれるバンドと、熱心に構成をしてくれる舞台監督と、自分。
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リハーサル最後の「New York New York」を歌い終え緞帳が降りたステージの上。ホッとして振り返ると
バンドが皆私を見てにこにこ笑っている。
「Thank you very much.おつかれさま」
日本語で言って(「おつかれさま」は通じる、日本船ゆえ)水を飲みに楽屋に入ろうとすると
チャーリーがピアノを立ち「よくやったね!」と握手を求めてきた。

「君が、、僕たちのバンドを気に行ってくれるといいんだけど。」
この人はやはりすごく照れ屋さんなのだと思わせるはにかみ方で小さく言った。

「気に入る!?最っ高のバンドだよ、私こんなすごいバンドと一緒にできてほんと嬉しい」
驚いてうれしくて、私のジェスチャーはかなり大きくなってただろう。
 
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出航の時間が近づいてる。
Sail Awayでは「LOVE」と「Rock Around The Clock」を歌う。
紙テープが飛び交うなか出航する船の甲板で私たちが演奏し
お客様が踊ったり乾杯をしたりするのだ。

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 朝から曇っていた空は出航のタイミングで晴れた
 横浜港大さん橋をゆく船の様子。
 消防庁の船が放水で見送ってくれている。
 この写真を撮ってくれたのは庭師で画伯でカメラマンでもある金郷さんだ。
 
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「たまたま、横浜で撮影だったの。しかもクマ子さんの船が出るころにちょうど港が見える場所にいたのよ!」
歌い終えて部屋に戻るとメールが届いていた。
まだ、携帯は通じるんだ。
ほっと心がゆるむ。
ありがとうと返信して、夜のショーの準備を始めた。

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If We Hold On Together
作詞作曲:James Horner & Will Jennings
Don't lose your way
With each passing day
You've come so far
Don't throw it away
Live believing
Dreams are for weaving
Wonders are waiting to start
Live your story
Faith, hope & glory
Hold to the truth in your heart
If we hold on together
I know our dreams will never die
Dreams see us through to forever
Where clouds roll by
For you and I
Souls in the wind
Must learn how to bend
Seek out a star
Hold on to the end
Valley, mountain
There is a fountain
Washes our tears all away
Words are swaying
Somebody is praying
Please let us come home to stay
If we hold on together
I know our dreams will never die
Dreams see us through to forever
Where clouds roll by
For you and I
When we are out there in the dark
We'll dream about the sun
In the dark we'll feel the light
Warm our hearts, everyone
If we hold on together
I know our dreams will never die
Dreams see us through to forever
As high as souls can fly
The clouds roll by
For you and I
ここで取り上げる曲はその週のサロンで歌った曲です。
If We Hold On Togetherは船では歌っていませんが、今週のサロンで夫人こと中島から

「今日はなにかあなたが思いつく好きな曲を1曲
ここに来られない私の大切な友人の為に歌ってほしい。
うたタネを神楽坂でやっていたころ何度も聞きにきてくれたあの人のために。」

と言われ歌わせてもらいました。

1990に発表されたこの曲は映画「リトル・フット」の主題歌だそうですが
ダイアナ・ロスの名曲中の名曲ではないでしょうか

過ぎゆく日々の中で
道を見失わないで
あなたは見事にここまで来たわ
投げ出してしまわないで
信じることを生きて
夢は紡ぐためにある
素晴らしい奇跡は今にも起こりたくて待ってるのよ
あなたのストーリーを生きて
信念、希望、そして栄光
あなたの真実を胸の真ん中に抱いて
私たちが共にいれば
夢は絶えることはない
雲が流れゆく場所で
夢は永久に私たちを導く


夢、仕事、休息、悲しみ、愛、人生、悩み、恋、きっと秘密や、たぶん嘘も
いっぺんに載せて船は2か月の旅に出ました。
船長に命をあずけ、もしも沈んだら一蓮托生。
なんていさぎのよいことか。


この旅で夢を生きる私にとって
すべての人が登場人物とも言えます。

「船で歌う夢がいま叶っている」
と言った私と
「ここで演奏するのは僕の夢じゃない」
と言ったチャーリーは旅を続けステージを重ねる中でとても仲良くなれました。


“誰かの夢が叶うことが他の誰かを元気にする”
よく聞くこんな言葉に近いことが船の上で起きていた、、、、のか、、?
起きていたと思いたいです。
どんなに遠く離れていても共にあることは可能だと私は知っているし
“共にいれば夢は絶えることはない”
という言葉も、歌になるくらいよく聞くから。


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byクマ子

サロンdeうたタネ♪2016スタートにともない
水曜クマ子
も再開。
船旅でのエピソードは「熊田千穗のブログ」 ではなくここで少しづつ触れていこうかなと思っています。
そんな時は
#船旅モード
とタイトルに入れようかなと考え中
どうぞよろしくお願い致します。

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